神戸新聞文化センター

講座案内

上手な体の使い方を学ぶ フェルデンクライス

 やさしい体の動きを通して、自分の骨格や筋肉のつながりを丁寧に体験することで脳・神経系を再配線し、より効果的な質の高い体の使い方と機能を身につけていきます。その結果、呼吸が楽になり、痛みなども消えていきます。フェルデンクライス・メソッドは世界3大ボディ・ワークの一つ。天才的物理学者であり外国人初の黒帯柔道家であったフェルデンクライス博士が体系化した、“動きを通して脳を変え、体を気持ちよく整えていく”ユニークな方法です。全米ベストセラー『脳はいかに治癒をもたらすか―神経可塑性研究の最前線』(紀伊國屋書店刊)でも詳しく紹介され、世界的に反響を呼んでいます。

●フェルデンクライス・メソッド
 イチロー選手の非常に高いパフォーマンスのカギは、筋力アップではなく、その磨かれた「身体感覚」にあります。フェルデンクライス博士は、「自分が何をしているかが分かれば、自分の望むものを得られる」と言いました。自分が何をしているかを知るためには、まず、「自分自身を感じられる」必要があります。それが「身体感覚」なのです。
 フェルデンクライスのレッスンが意図することは、能力の改善、つまり、「可能性の限界を広げ、不可能を可能に、困難を容易に、容易なものは楽しいものに変える」ことです。「できなかったことができるようになる」「動きが良くなる」「うまくなる」というのは、すべて脳の学習の結果です。動きのコントロールを改善し、より繊細なものにするには、自分自身を感じる力を高め、違いを感じ取る能力を研ぎ澄まさなければなりません。
 どうすれば、より良く学習できるのか? どうすれば、より自分自身をよく感じられるのか? それにはコツがあります。人間の感覚は、それを生み出す刺激と逆比例の関係にあり、刺激が小さいほど、識別力は細やかになります。つまり、頑張りを少なくすることで、違いを識別することがより簡単になるのです。
 ヴァイオリンの巨匠が難曲でも楽々と簡単そうに演奏するように、効果的に体を働かすすべを心得ている人は、大騒ぎもせずに事をやってのけます。逆に意志力だけを鍛えた人は、達成への衝動が強く、効果的に力を使う代わりに大きな力を込め過ぎる傾向があり、緊張だけを強める結果になります。良い動きとは、たやすくて軽い動きであり、そこには快適な感覚があります。
 脳と体の間には、たえず信号が行き交っていますが、間違った動き方(痛みはそれを知らせてくれているのです!)がパターンになっているなら、神経回路の「配線をつなぎ直す」必要があります。そのために重要なのは機械的な反復練習ではなく、「気づき」です。
 レッスンで気づきをもちながら動きを行なうことで、楽で効率の良い動き方の選択肢が増えると、脳は「楽で効率の良い動き」を選択するようになります。それは同時に、「より体を痛めにくい体の使い方」でもあります。欧米では、リハビリの専門家だけでなく、プロのダンサー、俳優、音楽家、スポーツ選手も、パフォーマンスを高めるために活用しているこのメソッドは、「神経系の配線のつなぎ直し」にやさしい動きを使うというユニークな方法なのです。

●全米ベストセラーでも注目
 「フェルデンクライス・メソッド」については、精神科医・医学博士で作家でもあるノーマン・ドイジ氏の2015年刊/全米ベストセラー『脳はいかに治癒をもたらすか―神経可塑性研究の最前線』(紀伊國屋書店刊)の第5章「モーシェ・フェルデンクライス 物理学者、黒帯柔道家、そして療法家 動作に対する気づきによって重度の脳の障害を癒す」と第6章「視覚障害者が見ることを学ぶ フェルデンクライス・メソッド、仏教徒の治療法、その他の神経可塑的メソッド」でも紹介され、世界的に反響を呼んでいます。

■モーシェ・フェルデンクライス博士 (1904~1984年)
 旧ロシアのユダヤ人家庭に生まれる。ソルボンヌ大学で数学と物理学の博士号を取得。ノーベル賞受賞者フレデリック・ジョリオ=キュリー(キュリー夫人の娘婿)の共同研究者に抜擢され、重要な研究を行なう。その頃、パリで柔道の創始者・嘉納治五郎と劇的に出会い、嘉納本人から柔道のヨーロッパでの普及を託される。嘉納の援助で柔道を学び、欧米人初の黒帯保持者となった。そして、共同でフランス最初の柔道クラブを設立し、指導するだけでなく、何冊もの著書でヨーロッパに柔道を紹介した。
 かねてスポーツで痛めた膝が悪化し、医者から「手術をしても成功の確率は50%で、脚切断の可能性もある」と宣告されたとき、手術を拒否し、自力で再起することを決意する。科学者の頭脳をもって、ヨーガ、フロイト、大脳生理学、神経生理学、サイバネティクス、言語学、システム論などを広範囲に探求。それらの知識を柔道によって得た具体的な体の知恵と統合し、自分自身に歩くことを再教育して、再び歩けるようになった。その過程で編み出された方法が、後にフェルデンクライス・メソッドと呼ばれるようになる。
 博士の生徒には、ヴァイオリンの巨匠イツァーク・パールマンや、世界的演出家ピーター・ブルックなどが名を連ねる。

【フェルデンクライス・メソッドの詳細はこちらをご参照ください】(別のウインドウが開きます)

  • 三宮KCC
  • 趣味・くらし
  • 金(第2・第4)
  • 12:40~13:50
  • 一日講習会・体験講座
講 師 # 国際フェルデンクライス連盟公認指導者
フェルデンクライス神戸主宰
西田 佳代
曜 日 金(第2・第4)
時 間 12:40~13:50
開講月 毎月入会できます
受講料 3ヵ月14,520円
受講会場 三宮KCC
  • 体験できます!

    • 曜日・時間金(第2・第4) 12:40~13:50
    • 参加費2,420円
    • 教材費無料

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